2024年度 人間・科学・宗教総合研究センター研究紀要に寄稿【革新的材料・プロセス研究センター】
2025.03.27
本学の学際的研究を推進する人間・科学・宗教総合研究センターにおいて「2024年度研究紀要」が発行されました。
本ジャーナルでは、当センターが所管するプロジェクト研究の成果及び関係する内容をまとめたものです。
革新的材料・プロセス研究センターからは、センター長の河内 岳大教授(本学先端理工学部 応用化学課程)が研究紹介を寄稿しました。
オリゴフェノールを原料とした高性能ポリベンゾオキサジン熱硬化性樹脂
要旨:
ポリベンゾオキサジンは、フェノール、アミン、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)から合成されるベンゾオキサジンの開環重合により得られ、その化学構造からフェノール樹脂の一種とみなされる熱硬化性樹脂である。高耐熱性などの従来フェノール樹脂の特徴だけでなく、低吸水性や低誘電特性など、従来のフェノール樹脂には見られない性質も有しており、電子絶縁材料、接着剤、FRPのマトリックス樹脂、精密機械部品などとして用途展開されている。しかしながら欠点もあり、一般的な熱硬化性樹脂と同様脆く、強靭化が課題となっている。また、代表的なポリベンゾオキサジンは、ガラス転移温度、熱分解温度、残炭率のいずれも高いものの、より広範な利用のためにさらなる向上が望まれている。本稿では、ポリベンゾオキサジンの合成と物性について概説した後、エポキシ硬化剤として工業的に使用されているオリゴフェノールをベースとした高耐熱かつ強靭化したポリベンゾオキサジンに関する我々の最近の研究について紹介する。
本編は下記リンクからご覧ください。
[Ryukoku Journal of Peace and Sustainability 2024] PDF